4位: 八日目の蝉
評価
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忘れ物を取りにいくように・・。
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NHKテレビドラマ放送をきっかけにそして主役の壇れいさんのファンということもありこの小説を読みました。
誘拐を肯定出来ないにもかかわらず読み進むうちに希和子と薫の生活が少しでも長く続くことを願う自分が
いました。戸籍なく健康保険証もなく日本で生活していくのはかなり困難です。そのような制度に守られて
平穏に暮らしている事をありがたく思いました。しかし外界から閉ざされてはいるものの、しがらみを捨てて
生きていくエンジェルホームに(固定観念にしばられている自分に悩む私は)惹かれるものもありました。
逃亡中のワンシーンですが老婆の家に居候させてもらっている時に米や味噌を購入する場面があります。私には
印象的なシーンで自分の視野が広がった気持ちになりました。米や味噌を買う事は明日からの平和な生活が
待っているからと表現されていました。その事に希和子は強い願望をみせています。あたりまえのように平穏な
毎日が繰り返されスーパーマーケットで食品を買う日常がこんなにも気高いことに表現される文章にはじめて
出会いました。その後、薫が3歳まで続く生活も温度感や臭いがしてくると思うリアリティに満ちていました。
社会保障のない状況で、けれども恵まれた出会いの中で深い愛情をそそいで子育てしていく姿に私にないものを持つ
希和子を感じました。そしてさらに周囲に感謝する自分でありたいと忘れ物を取りにいくように小説を読む事が
出来ました。
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