9位: 名文どろぼう (文春新書)
評価
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ユーモアやウィットは結局天賦の才能らしい、と思い知らされました・・・
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文章を綴るとき、せめて1か所くらいは気の利いた表現をし、でき得れば読者諸氏をニヤリとくらいはさせたい、などという大それたことをいつも考えている。だが結果は毎度ご覧のとおり。クソ面白くもない、読み辛いことこの上ない駄文ばかりが並んでしまう。
そうした悩みを解決するきっかけになるかと、本書を手にした。著者(というより編者)は、読賣新聞「編集手帳」の現執筆者。
なにしろネタ元が、小説、随筆、評論、詩歌、短歌、俳句、川柳、手紙、落語、漫才、地口、・・・日本語表現のありとあらゆるジャンルに及び、例文はじつに多彩。内容も、感涙ものから爆笑系、ブラックに至るまで、非常に幅広い。驚いたことに法律の条文まで登場する、しかも七五調の。・・・それって、“名文”なのか?
だが、こうしたウイットに富む表現がどうやればスラスラ出てくるようになるか、といった“処方箋”のような話は、残念ながらほとんど出てこない。
結局、“名文”とは、ウンウン唸りまくったあげくにやっとこさ出てくる、なんてものではなく、何かの拍子にヒョイッと出てくるのが理想に近いらしい。試験問題に白旗となり、鐘の間際に縋る思いで書き殴った悲痛な叫びの“名文”など、恥ずかしながら似た思い出があるし・・・って、“迷文”にすらならなかったケド(涙)。
となれば、類書でもよく言われ、本書でも取り上げられているネタ、つまり、古典的な言いま“つ”がいや、当世深刻なワープロの“誤変換”などを他山の石として、表題に言われる如き“どろぼう”行為を、恥も外聞も忘れて日常的に実践するのが何よりの良薬、となろうか。
で、とりあえず、「世の中は澄むと濁るで大違い」のお題でひとつ・・・と思い立ったのだが、ウンウン唸った末にな〜んにも出ず(号泣)。自分のセンス欠乏症をイヤというほど思い知るだけの効果しかなかったとは、じつに情けない・・・。
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