6位: 神話と日本人の心
評価
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中空構造と中心統合構造の両輪
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本書は日本人の心を解明するために、その源泉である古事記を心理学的に解釈する。
アマテラスの引きこもりをイニシエーションとして捉える。アメノウズメ、サルタヒコとの
関連はとても興味深く読めた。また、スサノオのイニシエーションも説く。それに成功した
スサノオがアマテラスの座を奪うことはなく、戦いによって得た剣を献上する。
このふたりの神の関係性が日本人の心の源泉となっている。多神教であり、ゆりもどしを
そなえたバランス性。問題は捨てられたヒルコの存在である。
とても面白いのは、バブル経済についての心理学的な記述。エゴ・インフレーションか。
バブルは崩壊し、デフレへ。エゴ・デフレーションか。ひきこりか。
いまの日本人はこのイニシエートを成功させることはできるのだろうか。
新自由主義に飛びつき、経済は回復したかに見えた。しかし、われわれは格差社会を
もたらした。これは成功だろうか。
河合氏のいうように、中心統合構造は必要であろう。しかし、ことはそう簡単ではないよう
だ。われわれはいま、日本人的な心性を失おうとしてはいないだろうか。アクティング・
アウトになってしまってはいないだろうか。
日本人の心性を失わず、それを尊重し、なおかつ、新たな自我を形成していくこと。本当に
難しく思える。じっくりと容器のなかで抱えていく必要があるのではないだろうか。
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