3位: マクベス (新潮文庫)
評価
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マクベス夫人のモデルは誰なのか?・・・シェイクスピアの深遠策謀な反骨
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この本の素晴らしさは他のレビュアーの方が書かれていますので
個人的に疑問に思っている事を書きます。
この本のあとがきではマクベスはシェイクスピアがジェームス1世(元々スコットランド国王
ジェームズ6世、エリザベス1世死後イングランド国王も兼ねる)のおべっかの為に
作られたと推測されているのですが果たしてそうなのでしょうか?
確かにスチュアート王朝の始祖バンクオーも出てくるのですが
あっけなく死んでしまいます。
普通なら将軍バンクオー(実は伝説の人物)の話の方が題材として妥当だと思うのですが。
実は「マクベス」はスチュアート家礼賛と見せかけてシェイクスピアが
ジェームズ1世を出し抜いた作品じゃなかったかと最近思えてきました。
マクベスの奥さん…マクベス夫人は夫をけしかけ王を殺させて王位を簒奪させる。
このマクベス夫人に良く似ているのがジェームズ王の母親メアリ・スチュアートなのです。
生まれながらの女王メアリは側近を殺された恨みから夫を情夫のボズウェルに殺させ
彼を王位につけさせた。―そしてスコットランド内乱で敗北しイングランドに亡命、
エリザベスによって幽閉させられた後はエリザベス暗殺計画に加担した罪で処刑されています。
一連のメアリ事件の事実は違ったのではないかと近年の歴史家は言っていますが
あの当時のヨーロッパでは紛れも無い出来事なのです。
エリザベス女王はイングランド女王として国民の絶大な人気を博していました。
その後継者ジェームズはスキャンダラスなスコットランド女王で
エリザベス暗殺を企んだメアリの息子なのです。
イングランド国民として面白いわけがありません。
国王礼賛に見せかけてシェイクスピアは後ろで舌を出すようなドラマ「マクベス」を作り
溜飲を下げたのでしょうか?
少なくともマクベスを観たジェームズ王はマクベス夫人を見て
自分の母親の姿を思い浮かべ忸怩したのではないかと思います…それほど似ている。
そう思って読むと第四幕第三場の
“地獄のようなスコットランドと天国のようなイングランド”も
シェイクスピアの痛烈な嫌味に思えてきます。
と、まあ色々推測を書きましたが
マクベス自体は予備知識なくても十分楽しめます。
でもスコットランド史とイングランド史を調べて読むとより面白く赴き深く楽しめます。
(実際のマクベスは良い王様だったそうですが)
裏切りと謀略が日常茶飯事の世界・・・。
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