5位: 前巷説百物語 (角川文庫)
評価
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又よ
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先に出版された3つの巷説百物語の仕掛け人である
又一の若かりし頃のお話し。
なぜ、御行になったのか。
人死にをどうしても飲み込めないまだ青い又。
足掻く。足がく。あがく。
あちらを立てればこちらが立たず。
こちらを立てればあちらが立たず。
理不尽を理不尽として認めない。
だけれでも口先八丁でまだ、世の中をひっくり返せない又。
だが、そんな又だから、
裏にも表にもなりきれない、幽世と現世を行き来する又の
成長期を記した作品。
巷説百物語に始まり、「続」、「後」と続いて
終わったかに見えたが、今作を読むことで、
さらに又市が心に刻む闇と影を見れる。
否。
この物語を知らずして後の、巷説百物語は無い。
又が、一人。背負おう物はあまりに切ない。重い。
誰もが白黒つけられない物を彼一人で白黒つけようとする。
今までの巷説百物語を読んだ人には「あぁ、だから又市は・・・」
これから巷説百物語を読み人には「又市って奴ァよゥ・・・・・」
どちらにしろ、
本書をまず手にして読むが良いと思う。順番は関係ない。
初めて本書に手を出す人は、
この一冊で完結する物語とせず、この後の物語も必ず読み切って欲しい。
一人の。男の。御行が。世を謀る。
その真の意味を知って欲しい。
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