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や・ら・わ行 関連:
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や・ら・わ行
- 柳田邦男
- 山崎朋子
- 吉田司
- 吉永みち子
- 吉村昭

- 山際淳司
- 山平重樹
- 吉田敏浩
- 吉野せい
- 米原万里

ランキング (人気順)
1位: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
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販売:角川書店 著者:米原 万里
評価 5つ星のうち 5 三色に塗り分けられたかつての同窓生、そしてロシア国旗
 米原万里氏の死は早すぎた。世界は社会主義の崩壊を見た多感な少女の目線を永遠に喪った。

 「リッツァの夢見た青空」「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」「白い都のヤスミンカ」
この三色は、ロシア国旗の色では、「忠実」「勇気」「高潔」を表す(意味には諸説ある)。

 祖国ギリシアに強い憧憬と望郷の念を持っていたリッツァは、ドイツで暮らしている。
故郷は遠くに在りて想うもの。帰ってみれば、相容れない習慣や価値観がある。
異国でも、自分を必要とする人や、忠実な友がいる。彼女はそれこそを故郷とする。
そして、たとえ今いる場所が曇り空でも、確かに故郷の青空と繋がっているのだ。
衛星放送のアンテナが、力強くそれを証明する。

 ルーマニア人のアーニャは嘘をつき、その嘘を自ら信じ込む。矛盾や相違は見ないふり。
というより見えない。知識は彼女に新たな目線を与えるものではなく、目隠しにだけ利用される。
「国境なんて意味がない」と言いながら、「私の中のルーマニアは10%、90%はイギリス」などと、
国境に縛られまくりの発言をする。自分の恵まれた環境を自覚せず、母国の遅れを蔑む。
著者は心中の異議を口にしない。アーニャには現実を見る勇気が無いから。
嘘で塗り固めた幸せでも、アーニャは曲がりなりにも幸せなのだ。

 ユーゴスラビア出身のヤスミンカは、聡明で達観した少女だった。客観性を、恥の意識を持つ稀有な少女。
著者と少数派である悩みを打ち明け合い、無二の親友になる。
社会主義から冷遇された母国は、更に国家の分断、民族や宗教という寸断に晒される。
しかし彼女は、大統領の娘という立場に対する逆差別と闘いながらも、己の信念によって高潔に生きる。
結局、国家や民族や宗教を形作るのは、個人なのだ。少なくとも根本的には、個人である筈だ。

 ソビエト学校という組織の中において、多種多様な人物に邂逅した米原氏。
それらの細かなエピソードを掬い取り、この作品にまで仕上げた鋭く柔らかな感性。
あまりにも早く、その目は閉じられた。しかし彼女の作品は、永遠に人の胸を打つ。

 「ロシアでは才能はみんなのもの。妬み引きずり下ろすものではない」
世界中の国々が、人々がこうであったら、人類はもっと早くより良い世界に住めるだろう。
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2位: 犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 (文春文庫)
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販売:文藝春秋 著者:柳田 邦男
評価 5つ星のうち 3 良い書物。しかし……
神経症(対人恐怖症)の苦しみから自ら命を絶ってしまった柳田洋二郎さん25歳。 彼の生きた証は一生忘れない。
残念な点がこの本にはあります。
というのも父である柳田邦男氏が息子の死という悲しすぎることの記述と同時進行をして専門にしておられる脳死についてあれこれ考察記述をしてしまう………。
この本はあくまで洋二郎さんの死へのレクイエム、洋二郎さんの25年はなんだったかどう生きたか。生きた証を本筋にすべきなのではなかっただろうか。
もし洋二郎さんが生きていたならば現在42歳ぐらいでしょうか
尾崎豊や爆笑問題、太田光などとたしか同じ世代だったと思います。
洋二郎さんが作品を仕上げ世にだしいち作家として太田光と文学談義を交わすえをみてみたかった。
★でありますが、
本自体には5つつけたいのですが柳田邦男氏の脳死の視点は個人的には不要だと感じたので−★です。
しかし素晴らしい本です。間違いありません。柳田邦男は父親として大変な苦しみ悲しみ書くにかけない悲痛たくさんあったと思います。
そして最後に今は亡き柳田洋二郎さんのご冥福をお祈りします。
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3位: 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)
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販売:新潮社 著者:米原 万里
評価 5つ星のうち 3 おもしろい、のだけど
 ロシアという国は、私にとってもおそらくたいていの日本人にとっても、知ってはいるけどなじみは少ない国なのではないかと思います。だから、その異文化に触れる、という点ではとても面白い読み物だと思います。

 が、なんというか、私は下ネタが決して嫌いではないのですが、どうも筆者の下ネタは私と相性が悪かったのか、ネタとしてはおもしろい(そう、かなりおもしろいものもあり)のに、どうも好感が持てず。私とは感性が違ったのかな。

 それから、筆者の自虐史観にはこれまたどうしても好感が持てず。通訳者として、生のロシア文化に触れ、見識も広く、ウィットに富んだ素晴らしい才女なんでしょうが、決して歴史の研究者ではない。それが、どうしてここまで自分の国を貶めることができるのか。それが不思議でなりません。そこまで言い切れるだけの根拠があるのでしょうか。

 読み物としてはそれなりにおもしろいものなのですが、日本の歴史に関してあまりに納得のできない表現が多く、それが残念です。
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4位: みんな山が大好きだった
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販売:中央公論新社 著者:山際 淳司
評価 5つ星のうち 3 まあまあ、面白い。
すでに他のレビューアーが指摘しているとおり、最近の若者の生き方を独善的に否定しているし、また、突然、文章が口語調になることから、読みにくいのも事実です。

内容については、紹介されている人たちの生き方が鮮烈であるため、面白く読めます。
一読する価値はあるようにも思います。
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5位: ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)
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販売:文藝春秋 著者:米原 万里
評価 5つ星のうち 5 犬派猫派を超えた「動物派」の一冊
 表紙が、いかにも犬が飼い主にタイトルの言葉を発しているようで、犬好きの女性が手に取りそう。
そして読み始めると、「犬も猫もヒトもないよ。みんな動物じゃん」と優しく気付かされる。

 私の身近にいる猫派は、「でも犬もいけるよ」という両刀使いが多い。
でも犬派は、「猫!?嫌い!!何考えてるか分からなくて、性格悪そう」て人が多い。
そんな犬派に是非オススメしたい一冊。もちろん猫派にも。

 犬はヒトの役に立つことを自ら喜んでいる節があるけど、猫はかなり自由気儘。
鼠は捕っても、それはハンティングという趣味というか本能だし。
芸を覚える猫もいるけど(我が家の猫の場合は「だるまさんがころんだ」)、悲しいかな実益はない。
 むしろ「この鳴き声はゴハン!くらい、いい加減に覚えてよぉ」とか、
「ゴハンじゃないってば!外に出たいんだってば!解んないかなぁ」とか、
こちらが芸を仕込まれてるような錯覚に陥る表情をしている。

 私は動物をお金で買ったことはない。幼少時から、拾ってくるものだったから。
「これは拾わなければ死んでしまう」というのが家族共通の保護の基準で、
亡くしてしばらく立ち直れなかった事も多いけど、癒してくれたのはいつも次に来た子だった。

 預けられて拗ねたり、新入りに抗議してハンストしたり、ヒトと全く変わらない。
愛情を目一杯注げば、必ず応えてくれる。見返りを求めない愛情を、こちらに全力で注いでくれる。
そんな無償の愛が、すごく嬉しいし、すごく愛しい。
 あっ、だから私もヒトのオスと縁が無いのか…
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6位: 言葉を育てる―米原万里対談集 (ちくま文庫)
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販売:筑摩書房 著者:米原 万里
評価 5つ星のうち 4 素顔のまりさん、
もうでないと思っていた米原万里をみつけて、
飛び上がって喜んで購入!!

通訳仲間だったり、タレント?だったり
いろいろな方との対談集でした。
内容としては、日頃の持論の繰り返しでしたが、、。

この本の中で、
実は一番よかったと思ったのは、
後書きに、通訳の後輩の書いた万里サン。
仕事が大好き、
お風呂に入らず、、。
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7位: 三陸海岸大津波 (文春文庫)
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販売:文藝春秋 著者:吉村 昭
評価 5つ星のうち 5 期待通りのおもしろさ
 先日のチリの大地震に伴い、わが国でもちょっとした津波騒動が起きました。幸い大きな被害にはなりませんでしたが、過去には大被害があったことを思い出し、その詳細を知りたくて購入しました。著者の作品は、足で稼いだ綿密なる取材に基づいたものが多く、臨場感と信ぴょう性にいつも共感させられます。この本もそれに違うものではなく、期待していた通りで興味深く読ませていただきました。
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8位: 「死の医学」への日記 (新潮文庫)
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販売:新潮社 著者:柳田 邦男
商品説明
 「死の医学」という言葉は、医学用語ではないのだそうだ。それは、自らもがんに倒れた精神科医、西川喜作氏と著者との交流の中から生まれてきた言葉であるという。

   欧米に見られる「死学(サナトロジー)」に興味を抱いた西川医師は、それを参考に、より身近で実践的な臨床医学を構築したいと考えた。それが「患者が精神生活において最後まで生を全うできるように支援する」ための臨床医学、「死の医学」である。本書は、そうした西川医師の志しを受け継いだ著者が、末期がん患者への医療のあり方とその実際を、現場の医師や患者への取材を通じてまとめあげたものである。

   とくに、がんと対峙しながらも前向きに人生を生ききった人々の姿は大きく胸を打つ。最後の写真集を完成させるために、治療の中断を選択した写真家。在宅ケアを選ぶことで、最後まで「主婦」の仕事を全うして逝った女性。本書に登場する彼らを通じて見えてくるものは、日本の現状は、著者の言うように「自分の死を創る時代」であるということだ。

   なお、がん治療の現場への取材は、1970年代に発表された『ガン回廊の朝(あした)』以来の著者のライフワークでもある。西川医師との交流と、その闘病の記録は、本書の前編ともいえる『「死の医学」への序章』に詳しい。あわせて読まれるとよい。(中島正敏)

評価 5つ星のうち 5 サナトロジーの入り口
サナトロジー(死学)の入門編として、実際の臨床を交えたノンフィクション作品がこれだ。柳田氏の、淡々としていながら核心をつく判り易い文体も大きな魅力のひとつだが、本質は昨今の医療界で患者の生活の質をあらわす「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」という言葉が、本来は患者の立場で論ずべきである事を再認識させられる点にある。現在でも、医者の立場からみた患者のQOLが語られるのが常であるが、医療従事者には早くこの間違いに気付いて欲しいと願う。海外の書ではこの分野のパイオニアであるエリザベス・キューブラー・ロス博士が有名であるが、日本における臨床的なサナトロジーの考察では柳田氏の書物が群を抜いている。本書の初版は古いが、現代に置き換えても全く違和感を感じないのは医療の質の変革がないためだとしたら、あまりにも悲しい。
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9位: エリカ 奇跡のいのち
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販売:講談社 著者:ルース・バンダー ジー
評価 5つ星のうち 5 母の心とひとつの「生」の大きさ
ナチスドイツによって収容所に送られるユダヤ人の家族。
その貨車の換気用窓から投げ出された赤ん坊。
それが、この物語の主人公エリカです。

この「死」に向かう貨車の中から、一分の「生」の望みに賭ける母親の気持ち。読んでいて堪らなくなります。
作者はこの部分を
「お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。」
と表現しています。
子を投げる母親の気持ちが良く伝わってくる文章です。

更に、作者はこうも言います。
「わたしと同じ民族の人たちは空の星の数だけいる・・・それらの星の中の600万個が、・・・流れ星となってきえました。
いま、わたしの家族の樹は、ふたたび根をはり、大きくそだっています。」
ここにおいて作者は、「生」の繋がりとしての恒久性を語ります。
エリカと言う誕生日も名前も生まれた土地も解らないエリカと言う赤ん坊の一つの「生」から、又新たな生命の連鎖が生まれてくるのです。
それは、ひとつの「生」の大きさを語りかけてきます。
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10位: 大本営が震えた日 (新潮文庫)
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販売:新潮社 著者:吉村 昭
評価 5つ星のうち 4 学校教育から開放される書
 私が中学生だった頃、あの戦争に関して教えられた事といえば、日本は周辺国の
侵略を企て、近隣諸国の多くの人々を殺め、苦しめた「悪」であった、その元凶は
暴走した軍部であり、その罪はどの様に償っても償いきれないものだ。日本人は過
去の罪を認識し永遠に忘れてはならない。といったところでしょうか。それ以外
戦争について教師たちは言葉にするのも汚らわしいとばかりに多くを語りませんでした。

 そんな学校教育から開放されて、それと同じくらいの月日が経過しました。
最近あの戦争は何だったのか?という疑問をやっと感じるようになることができる
ようになりました。中学校当時読んだだけで自分が穢れてしまうのではないかとい
う呪縛から開放されたような気がします。幸い日本は戦後の貴重な検証が数百円の
文庫本でそれに触れることができる先進的な文化を有する国でした。

 本作は、昭和16年12月1日皇居内東一のまで開かれた御前会議において、12月8日
対英米蘭開戦の断を天皇が下してから先端を開くに至るまでの1週間、陸空海軍第
一線部隊の極秘行動のすべてを、事実に基づいて再現してみせた作品です。作者の
目は静かでこの種の素材につきまといがちな感傷と批判を抑制し、事実によってす
べてを語っています。読後感はむなしさと徒労感が重くのしかかってきますがその
判断はあくまで読者に委ねられています。

 あの戦争に関して私たちは統一見解など持つ必要はなく、各自が事実を踏まえ
それに向き合って隣国の人々と関わっていけばいいのだと、本作を読み気付かされました。
事実はひとつ、しかしそれはどう捉えるかは各人の判断に任せる。この一見単純な
事が許されている日本に住んでいることの幸福を感じる一作でした。
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