このアルバムを聴くと「奇跡の名盤」という言葉が迂闊に使えなくなる。 それほど素晴らしいと言いたいのだが、それどころか個人的には歌詞や音の全てから霊的なものさえ感じる。 別次元より何かの拍子で浮かび上がってきたような「奇跡」そのものだ。 1974年に録音されたこのアルバムは、トランペットやホルンなど一部に外部からのアーティスト参加があるものの、楽器演奏からミキシングに至るまでほぼShuggie Otisひとりの手によって生み出された。 幼い頃から天才ギタリストの誉れ高かったというが、ここで彼はベースにオルガン、ピアノ、ビブラハープ、さらにはパーカッションまでをこなし、それらをみずから多重録音(!)している。 出来上がったサウンドはブルースやロックをベースにしつつもジャズにダブ、サイケロックなどが混ざり合った美しいものとなっている。 形容しがたい浮遊感と緊張感が交錯し、様々な音楽的要素が融合しながら、ついにある一点でストップしたような絶妙なバランス。 神の業(奇跡)としか言い様がない。 こうした内容の素晴らしさにもかかわらず発売当時、商業的な成功は収めていない。テクニック偏重の時代にソロアルバムという形態がそぐわなかったり、斬新すぎるサウンドにリスナーが着いていけなかったというのが、その理由として挙げられている。 しかし、こうした背景も、このアルバムに不可思議な雰囲気を纏わしているようにも思えるが。 ともかく、ぜひ一度聴いてみてほしい。音楽のもつ魔法を本当に体験したいのならば今すぐにでも!
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