2位: 熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)
評価
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一生懸命ホメるぞ!
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えーと、年上の著者のレビューでふざけたタイトルでなんですが。。。。星一つ減らしたのは、さすがにこの内容の読み手は限られるだろ、と言う意味で、本来の評価としては5つ星以上です。
1-3巻を通してのレビューのつもりですが、一番興奮したのは、第2巻のジェームズ・ワットのくだりです。原子分子の存在も茫漠としている時代に、巨大な数理能力と悪魔のごとき観察眼をもってして、「気体」「温度」「エネルギー」などの諸概念を力技でねじ伏せ、永遠に回り続ける「engine」を創造し、そして彼は知性の力によって世界を「作り変えて」しまったわけですね。一方、200年後の我々、現代のengineerは、コンピューターと3D映像による「可視化」に頼るがあまり、ちまちまと「見る」ばかりで「観る」ことを忘れ果て、脆弱な「エロイ」(By H. G.ウェルズ )へと退化してしまった。。。。実に悲しみにたえません。著者が分子統計を避けたのも、「定かならぬものを数理と推論の力で捉まえる」営みに焦点を当てたかったからに違いないと感じました。もう一つ、第3巻での相の共存をVとSの座標軸で表現するギブズの方法論の解説にも目からうろこが落ちました。
話は飛ぶけど、若い頃にノーベル賞受賞直後の福井謙一の講演を聞く機会があって、化学理論の「非経験化」と言うことを何度も強調していたのが、妙に耳に残ったものです。その頃は内容も分からないし、何を言おうとしているのかさっぱりつかめなかったけど、この本を読んで発言を思い返し、「ああそうだったのか」と今さらながらに納得する部分があります。20世紀でも偉い人はやっぱり偉い。でも、さて21世紀の我々や後続の人間たちは。。。。と思い返すと、やっぱりお寒いような気がしております。
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